君島邦雄のココノッツブログ

ココノッツ創立者であり現在は取締役会長の君島邦雄が
広報や医療に関する話題を中心に日常感じたことを勝手に書いています。

君島邦雄のココノッツブログ

ココノッツ創立者であり現在は取締役会長の君島邦雄が広報や医療に関する話題を中心に日常感じたことを勝手に書いています。

意味の転換

2010.05.24

「おかしい」と言えば、現在では「変だ」とか「奇妙」だということですが、その昔は「趣がある」という意味だったそうです。高校の古文の授業で習った枕草子の「いとおかし」がそれですね。このように、それまで好ましい意味だった単語が、ある時から逆転してネガティブな意味に変じてしまうことが、まれに生じるようです。
そのような珍しい変化、しかも突然の意味の転換を私たちは最近実感してしまいました。「育ちのよさ」です。
以前から「あの人が育ちがいいからねえ」という表現には、どこかに皮肉と妬みのニュアンスが隠れていました。下々のことを理解していない、周囲の状況が読めない、自ら汗を流そうとしない、苦労知らずの経験不足、他人事のような態度、精神がひ弱、身体が弱い、そして、いざとなったらどこかからお金が出てくる、といったモロモロをぼんやりと含意していたわけです。その含意が、時の総理によってすべて明るいところに引き出され、しっかりと意味づけられてしまいました。同時に、上品とか質のよさといった「育ちのよさ」の好ましいイメージは、まとめて闇に葬られてしまいました。
昨日、鳩山総理は沖縄県知事と再び会談しました。asahi.com(2010年5月23日)によれば、総理は突っ立ったまま 「仲井真知事はじめ、県庁の皆様方に、このようにふたたびお目にかからせていただくことができて、たいへんありがたく思っております」と話し始めたようです。これって、なんか変ですね。以下、
県知事:おかけいただけませんか。どうぞ、どうぞ
総 理:それも失礼かと
県知事:いや、どうぞ
総 理:では座って恐縮でございます。
というやりとりが続いたそうです。写真で見ると、さして広くもない応接室で低いテーブルをはさんで対座しています。陳謝しつつお願いをしようとしているのに、見下ろしながら話始めるっていうのはどうでしょうか。ここらあたりに「育ちのよさ」の問題がまたまた露見してしまっております。
米国の大統領は必ずメディアトレーニングを(候補者になったときから)受けていると言われます。日本の総理大臣は受けてない、なんてことがあるんでしょうかね。もちろんそれ以前の問題なのではありますが。〈kimi〉

< 一覧に戻る >