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株式会社ココノッツ

君島邦夫のココノッツブログ

ココノッツ創立者であり現在は取締役会長の君島邦雄が
広報や医療に関する話題を中心に日常感じたことを勝手に書いています。

君島邦夫のココノッツブログ

ココノッツ創立者であり現在は取締役会長の君島邦雄が広報や医療に関する話題を中心に日常感じたことを勝手に書いています。

カテゴリー:「広報ど真ん中」の記事

それでも取材を受ける

2017.02.27

テレビや雑誌の取材を受けたが、自分の発言と異なる主旨の記事となって掲載されたと抗議したり、SNSで嘆いたりする人が少なくありません。もう二度と取材を受けないと息巻く人もいます。とくに医師に多いようです。
企業の優秀な広報担当者は、取材を受けるときは誤った理解をされないように十二分に配慮をしますし、誤解されそうな部分はくどいほど繰り返して説明します。それでもこちらの意図と異なる報道になってしまう可能性は残ります。日常の会話でもミスコミュニケーションはしばしば起こります。その確率をできる限り低くするのが広報の技術というものです。
企業の広報担当者は、間違った報道をされても、もう取材を受けないなどとご気楽に宣言するわけには行きません。誤報されても悪意のある報道をされても、繰り返し繰り返しコミュニケートし、正しい認識を得る努力を続けなければなりません。それが仕事ですから。

カブル

2017.02.15

2月25~26日は国立大学の入学試験日なのだそうです。福岡では、ちょうどその日に人気グループの大きなコンサートが予定されていて、受験生の宿が不足しているのだとか。そこで西鉄が自社の寮などの宿泊施設を受験生に提供することにした、というニュースがありました。
コンサートの主催者側も、この季節ですから入試スケジュールとかち合わないように配慮してほしいものですが、諸々の事情でそうも行かなかったのでしょう。
地方都市へ出張しようとすると宿がとれないというケースにはしばしば遭遇します。調べてみると医学系の学会が予定されていたりします。その学会に関係していないこちらにとっては大いに迷惑なのですが、これもやむを得ないとあきらめるほかありません。
私たちの仕事では、メディアイベントが他社とカブルという事態にしばしば見舞われます。似たようなメディアイベントが重なると、出席してくださるジャーナリストが分散してしまい、お互いによいことはありません。しかし、日時の決定は主催する企業様のご都合によることが多いので選択の余地がほとんどありません。他社の動向も調べてはいるのですが、同じようなタイミングで案内が出るので避けようがないのが現実です。これを回避するよいアイデアがあればなあ、と考えるのですが、なかなか思いつかないのであります。

人柄で仕事する

2017.01.17

キャロライン・ケネディ米大使が離任します。在任中には沖縄の基地移設問題やオスプレイの事故など、米国に対する反感がもっと高まってもおかしくない事件がいろいろありましたが、そうはなりませんでした。日本政府による強引な世論誘導があったとしても、彼女のパーソナリティに負うところも大きかったのではないかと推測します。そういう意味では、日本政府にとってありがたい存在であったばかりでなく、米国政府にとっても成果を挙げた大使だったのではないでしょうか。
同様のことは広報の担当者にも言えます。あの会社にはあの人がいるから、ということでメディアとの関係がとてもうまく行っているという例を、これまでたくさん見て来ました。やり手であるかどうか、有能であるかどうかということよりも、人柄で仕事をする人がたしかにいます。

“ネットの医療情報は役に立たない”

2016.12.08

昨日行われた「WELQ」問題に関する記者会見の冒頭部分をライブで見ていました。今後DeNAさんがキュレーションメディアをどうするかはさておき、創業者である南場智子会長の発言は聞き捨てならぬものと思いました。日経ビジネス誌によると、その発言は、
家族の闘病が始まってから(編集注:南場氏は2011年に夫の看病のために社長職を退いた。夫は12月5日に死去した)、ネットを徹底的に調べたが、たとえば『癌に効くキノコ』とかいった話も出てきて、ネットはそれほど役に立たない、信頼できないことがわかった。それ以降、私の情報収集は基本的には論文と、専門家からのレクチャーが中心になった。(ウェルクについて)知ったのは報道があってから。『癌』ということばで検索し、いくつか記事が出てきたときに『いつからこんな医療情報を扱うようになったのか』と愕然とした。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/120700511/?i_cid=nbpnbo_tp&rt=nocnt
ネットビジネスの中心にいる人物が、ネットの医療情報は役に立たないと言いきったわけです。これは、これからの医療分野の広報活動に大きく影響するかもしれません。

主張する方がおもしろい

2016.11.17

ある業界団体によるメディアセミナーのお手伝いをしました。
一企業の場合、主張を前面に出しすぎるのは躊躇するところがありますが、業界団体だとそのあたりの自由度が高いようです。タケシの「赤信号みんなで渡ればこわくない」という言葉が思い浮かびます。
それで、メディアの方の反応はどうかと言えば、「おもしろかった」という意見が多かったのです。そうだろうなあ、と納得します。反論や圧力のリクスはあっても、主張すべきは主張するのがよいのでしょう。それが自由社会というものですものね。

対岸の火事でしたが

2016.10.19

昨日知り合いから、ここ数年苦労してきた企業間の提携がようやくまとまったという話が伝わって来ました。明日の新聞が楽しみだ、とも。どんな案件かとネットを探してみたら、たしかにありました。しかし、昨日はもっと規模の大きなM&Aの発表があったことも見つけてしまいました。残念ながら、そちらの方がより大きく取り上げられるはずです。偶然ではありますが、それは知り合いの出身企業のニュースなのでした。
自分が関わっていない案件だと、対岸の火事として新聞を読むことができますが・・・当事者のお気持もまた十分にお察しします。

反論は無茶でしょう

2016.10.03

国立がん研究センターが、受動喫煙によって日本人の肺がんリスクが約1.3倍に増えると発表したのに対して、JTがすぐに社長名で反論しました。ところが、がんセンターが先週、再反論をホームページのトップで発表したと朝日新聞が報じました。
http://digital.asahi.com/articles/ASJ9Y5GC8J9YULBJ00J.html
さっそくそれらの文書を読んでみたのですが、がんセンターの反論は極めて冷静かつ理論的で説得力のあるものでした。明らかにJTの負け。疫学ないし医療統計学に対する無知をさらけ出し、科学的な会社ではないなあ、というイメージを発散させてしまいました。
想像するに、がんセンターの発表で、JTははらわたが煮えくりかえったのでしょうね。「すぐに反論しろ!」とトップから号令がかかったのかもしれません。しかし、敵は日本の疫学の総本山。生半可な知識と理論で対抗しようとするのは極めて困難です。そのことに気づかなかったのがそもそもの敗因ではないでしょうか。広報的にはツッコミどころがいっぱい。いきり立って真っ正面から反論するのではなく、ほかにも有効な手段が考えられたと思うのですが、筆者もアンチタバコなので、これ以上は書きません(^O^)。
国立がん研究センターの発表「受動喫煙による日本人の肺がんリスク約1.3倍
肺がんリスク評価「ほぼ確実」から「確実」へ」8月31日
http://www.ncc.go.jp/jp/information/press_release_20160831.html
日本たばこ産業株式会社(JT)の反論「受動喫煙と肺がんに関わる国立がん研究センター発表に対するJTコメント」(8月31日)
https://www.jti.co.jp/tobacco/responsibilities/opinion/fsc_report/20160831.html
国立がん研究センターの反論「受動喫煙と肺がんに関するJTコメントへの見解」(9月28日)
http://www.ncc.go.jp/jp/information/20160928.html

実に危うい

2016.09.28

危機広報に関する講演の準備を始めています。企業でクレーム対応をしておられる方々が対象なので、危機に際しては広報担当者が重要な役割を果たすということを強調しようと思っています。
危機に臨んでは、全社的な対策本部を立ち上げるのが鉄則で、その中に広報の責任者や担当者が加わるのはいまは常識になっていると思っていたのですが、その面では先進的であるはずの製薬や医療機器の企業でも広報担当者が蚊帳の外に置かれている例があるようです。実に危ういと思うのですが・・・。

テクニカルな要素も大切ですが

2016.09.15

相変わらず企業の不祥事は続いていますし、有名人や芸能人の犯罪やら不倫やらの報道も尽きることがありません。
広報コンサルタントの延長線上に、そのようなクライシスでのアドバイスを専門にしている方々がおられます。謝罪会見には5秒以上アタマを下げろ、高級腕時計ははずせ、などという指導をしておられる方々です。
先日、そのような仕事をしておられる方からいただいたメルマガに、強姦の容疑で逮捕された芸能人の母親の記者会見が成功だったと書かれていました。立ったまま記者会見に臨んだのがよかったとか。「まあそうかもな」とは思うのですが、なんとなく違和感も感じました。危機に臨んでは、このようなテクニカルで細かい要素も非常に大切で、弊社でもご依頼を受ければ同様のコンサルティングを行いますが、本質はどこか違うところにあるような気もするのです。それがここだと明確に説明できないところがもどかしいのですが・・・。

病院広報のいま

2016.09.06

今日の午後は、病院で「広報」を担当しておられる事務方のみなさんへのレクチャーとグループディスカッションのサポートをしました。私たちが認識しているパブリックリレーションズの概念と、事務方のみなさんの広報の概念の間にはどれだけ距離があるのか、としばし感慨にふけることに・・・。
これは大学の広報が歩んだ道と似ているようです。いまや大学の広報はすっかり様変わりして、すばらしい展開を見せている大学も増えて来ているようです。
病院の広報もいつかはそうなるのでしょう。どれにどんなお手伝いができるのか。そこが考えどころなのですが。

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