カテゴリー:「広報」の記事
人柄で仕事する
2017.01.17キャロライン・ケネディ米大使が離任します。在任中には沖縄の基地移設問題やオスプレイの事故など、米国に対する反感がもっと高まってもおかしくない事件がいろいろありましたが、そうはなりませんでした。日本政府による強引な世論誘導があったとしても、彼女のパーソナリティに負うところも大きかったのではないかと推測します。そういう意味では、日本政府にとってありがたい存在であったばかりでなく、米国政府にとっても成果を挙げた大使だったのではないでしょうか。
同様のことは広報の担当者にも言えます。あの会社にはあの人がいるから、ということでメディアとの関係がとてもうまく行っているという例を、これまでたくさん見て来ました。やり手であるかどうか、有能であるかどうかということよりも、人柄で仕事をする人がたしかにいます。
早口
2016.12.16メディアトレーニングなどでは、できるだけゆっくりお話くださいとお伝えするのですが、緊張すると、なかなかそれが難しいようです。とくに、弁解しなければならないシーンや突っ込んだ質問をされて言い訳したり反論したりしようとすると、無意識に早口になってしまいます。
緊張のほかに、一刻も早くこの苦難を終わらせたいという意識も作用しているのかもしれません。なんとかして自分の言い分を押しつけたい、あるいは反論の余地を与えたくないという気持も影響するでしょう。
限られた時間の中で多くの内容を話したいというときも早口になりますが、早口になればなるほど説得力は低下してしまいます。
今夜、プーチン大統領との会見を終えた首相がテレビ番組に出演しているのを眺めながら、ずいぶん早口だなあと思いました。
“ネットの医療情報は役に立たない”
2016.12.08昨日行われた「WELQ」問題に関する記者会見の冒頭部分をライブで見ていました。今後DeNAさんがキュレーションメディアをどうするかはさておき、創業者である南場智子会長の発言は聞き捨てならぬものと思いました。日経ビジネス誌によると、その発言は、
「家族の闘病が始まってから(編集注:南場氏は2011年に夫の看病のために社長職を退いた。夫は12月5日に死去した)、ネットを徹底的に調べたが、たとえば『癌に効くキノコ』とかいった話も出てきて、ネットはそれほど役に立たない、信頼できないことがわかった。それ以降、私の情報収集は基本的には論文と、専門家からのレクチャーが中心になった。(ウェルクについて)知ったのは報道があってから。『癌』ということばで検索し、いくつか記事が出てきたときに『いつからこんな医療情報を扱うようになったのか』と愕然とした。」
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/120700511/?i_cid=nbpnbo_tp&rt=nocnt
ネットビジネスの中心にいる人物が、ネットの医療情報は役に立たないと言いきったわけです。これは、これからの医療分野の広報活動に大きく影響するかもしれません。
日本的な集団
2016.11.29仕事柄、若いときから医学関係の学会にはときどき顔を出していましたが、医学研究者ではないので、当然学会員になることはありませんでした。覗いたり、手伝わされたりしただけです。同じく仕事につながる広報領域の二つの学会には、それぞれ創立当初から学会員となり、一時期は理事もやっていました。しかし、このところ少し距離を置いています。
学会員になった目的は、広報の実務に何か役立つだろうと考えたからですが、それは見事に裏切られました。実務とはほとんど関係のない世界でした。また、学会も年を重ねると、顔役とそれ以外の学会員とに分かれてゆきます。顔役は自分の息のかかった若手を取り立てることに熱心になります。政権政党にそっくりです。日本では、どんな集団も日本的になって行くんですね。
なんでこんなことを書く気になったかと言えば、最近送られてきた学会誌に掲載されていた一編がまことにお粗末だったからです(ーー;)。