カテゴリー:「よもやま」の記事
カメラ好きは写真がうまくない?
2019.04.16
写真の愛好家やカメラマンにはよく知られている事実ですが、世には機械としてのカメラ自体が好きな人と、写真を撮ることが好きな人と、どちらでもない人の3種類の人たちが存在します。圧倒的に多いのが3番目であるのは言うまでもありません。観光地へ行って記念撮影する人たちや子どもの成長を記録する人たちも、3番目に入れてよいでしょう。
最近はスマホでランチの写真を撮ったり自撮りしたりしてSNSに投稿する人が増えています。このような人たちは、写真を撮ることが好きな人たちと分類してよさそうです。
実は先日、あるグループの写真展で自作を3点ばかり展示してもらいました。参加を申し込んだときは意識していなかったのですが、このグループはカメラ好き、いやカメラ蒐集マニアの集まりでした。ある参加者に「何台くらいお持ちなんですか?」と尋ねたら、「500台くらいですかね」と素っ気なく答えてくれました。さらに「最近は写真を撮るのが面倒になっちゃって、ほとんど撮らないんです。撮るときはスマホです」と続きました。
一般論ですが・・・と断っておきますが、カメラ好きは写真がうまくありません。写真を撮るのが好きな人のすべてが写真がうまいとも言えません。写真がうまい人は写真を撮るのが好きな人です。また、写真がうまい人はカメラ好きでもあります。
長年の観察から得た結論ですが、さて論理的に整合性がとれているのかどうか…。
してやられた上に期待はずれ
2019.03.20
ある朝、目覚めてすぐに枕元に置いているスマホを見ました。たまたまです。するとamazonがいまセールをやっているという記事が目に飛び込んできました。起床する時間まで少々間があったので、どれどれとamazonを覗いたのがいけませんでした。電子書籍リーダーのKindleも安くなっている。しかもセールの終了時間が迫っている。こりゃあ急いで買わなくては・・・。
というわけで、まだ十分に脳が覚せいしていないところでポチったのでありました。送られて来たのは一番安いモデルです。実は照明つきホワイトペーパーの上位モデルがほしかったのですが、あとで調べたらそちらは倍近いお値段でした。いくらセールでもそんなに安くなるはずない。まあ、安かったからいいか、と納得というか諦めというか、いずれにしてもまんまとamazonにしてやられたことに変りはありません。
Kindleを買う気になっていたのは、今期の直木賞を受賞した「宝島」を読みたかったからです。書店で見た単行本はものすごく厚くて重たい。私の読書は主に電車の中ですから、これを持ち歩くのはしんどいなあ。そこで電子書籍のファイルをダウンロードしたのですが、スマホではやはり読みにくい・・・と、amazonの手中に落ちた背景にはそんなことがありました。
そこまでして読んだ「宝島」なんですが、どうして評判がよいのかさっぱりわかりませんでした。たとえば人物描写がお粗末で、主人公である二人の男性の人物像が重なってしまって違いがわからない。ヤマトンチュー(本土の人)が戦後の沖縄の歴史を調べまくり、「いかにも沖縄」風の描写やエピソードや方言を総動員したみたいな小説と言ったらいいかな。文芸評論家ではないからただの感想ですが、私には期待はずれ。
さて、次はKindleで何を読もうかな。青空文庫から著作権の切れた作家の作品でもダウンロードしましょうかね。なにしろタダですから。
インターネットでは難しいかなあ
2019.03.12
Facebookに猫を探していますという投稿がありました。いずれも東京の郊外のお宅から失踪したようです。飼い主の必死の思いが伝わってきますね。見つかるとよいのですが、一般論として、猫探しにネットは効果が薄いのではないかと危惧します。猫の行動範囲はせいぜい数キロでしょう。となると、骨の折れる作業だとは思いますが、近所を回って電柱などにポスターを貼って行く方が効果的かもしれません。ネットの利用は手間なしではありますが、地域内での情報密度はかえって薄いと考えられます。
一般論としては広報も、地域が限定されればされるほどやりにくくなります。たとえば地域の中小病院の場合は、いわゆる広報活動よりも広告宣伝あるいは販促の手法の方が効果的だと思います。患者を集めたいという目的なら、医療圏の問題もあってなおさらです。
広報エージェントをやっていると、なんでも広報の手法で解決したくなりますが、広報には広報の得意な分野があり、得意でない部分は手を引いて、他の手法を考えるのが効率的であると自戒を込めて考えます。
小賢しいことするんじゃね~や!
2019.03.01
昼食に入った店のテーブルに、見慣れぬ金属製のプレートを発見しました。禁煙マークがあり、その横に見慣れぬマークがあります。「禁煙、Ploom TECHだけ」。たばこを吸わない筆者には、何のことかにわかに理解できませんでした。やがて、はは~んと推測できました。Ploom TECHって、電子タバコとか加熱タバコっていうやつの商標かな? ということは、加熱タバコだけは吸っていいよ、それもPloom TECHというブランドのものだけよ、ってこと?
店の熟年おねえさんに、「これって、たばこ屋が置いて行ったの?」とたずねたら、「そうです」という返事。これですべてが推測通りとはっきりしました。
マーケティングの手法としては見事ですね。よく考えたなあと思います。しかし、だんだん腹が立って来ました。小賢しいことするんじゃね~や!
初恋の味は・・・
2019.02.18
断捨離はくたびれます。体力を消耗します。精神的な疲労も思いのほか蓄積します。だからどんどん進めるわけには行きません。2週間にダンボール1箱ペースがやっとです。
先日、押入から1箱引っ張り出したら、古い写真がいっぱい入っていました。高校時代のスナップ写真、若いときカメラに凝って撮ったネガとプリント、子どもの写真、亡母が大事にしまっていた写真などなどです。一枚一枚丹念に見ていたら、それだけで1ヶ月はかかりそうで、考えるだけで疲労を感じます。
そこでパラパラとめくっていたら、思わぬ写真を発見しました。初めて好きになった同級生の写真です。と言っても写っているのはただの女子中学生。懐旧の情をもって眺めたのは事実ですが、少しもときめきません。「どうしてこの人を」というのが実感です。想い染めし相手を貶める形容詞は控えさせていただきますが、落胆してしまったことは白状します。20歳のときにこの写真を見たら違った気持になったかな。40歳だったらどうだったでしょう。そこのところはわかりませんが、この年になると極めて冷ややかに見てしまうのです。枯れちゃったのでしょうか。そう思うと少々残念ではあります。
カルピスが今年、発売から100周年を迎えるそうです。カルピスと言えば「初恋の味」なんてコピーがすぐに浮かんでくるのはある年代以上の人でしょうが、少しも甘酸っぱくはありません。この味は一体なんだろうとあれこれ考えて、やっと思いつきました。
初恋の味はホッピーの味
ホッピーだけをいくら飲んでも、苦いばかりで少しも酔うことはありません。
月刊住職は面白そう
2019.02.06
今日の朝日新聞の出版広告をぼんやり見ていたら、「月刊住職」の広告が目にとまりました。以前にも書いたことがありますが、いつもいつもこの雑誌の見出しは面白い。
「都道府県寺院密度と寺院消滅予測度と住民幸福度はつながっている」というのは、どんな記事なんでしょう。お寺の密度が高いと幸福なんでしょうか。お寺がなくなると不幸になるのかなあ。そう言えば過疎化が進むとお寺も維持できなくなると聞きました。どんな相関関係なんでしょうね。
「学生減 宗門大学11校の現状とサバイバル」 お寺さんが経営している大学を宗門大学と呼ぶんですね。京都のさる宗門大学の職員さんによるFacebookの書き込みを読むと、関西から北陸、四国の高校や予備校を軽自動車で行脚して説明会を開いておられるようです。
「終活世代にせまる親の葬儀と自分の葬儀」 お葬式の専門家であるお坊さんも困っているんですね。ちょっと意外。
「なぜ寺に奥の院があるか」 なるほど。本堂のさらに奥、山の上に奥の院があったりしますね。なぜなんでしょう。
「お寺のライトアップを必ず成功させる秘訣」 現世的なテーマで、思わず笑っちゃいました。桜の季節に京都などに行くと、ライトアップする夜間だけ高い別料金をとるお寺が少なくありません。あれはどうも気に入りませんが、おいしいビジネスなのでしょう。
「佐渡にウサギ観音が現れた訳」 これはなんだかわかりません。在家の人間にはどうでもいいいいようなことだけど。
「人工知能は何を変えるか」 お寺にもAIを活用する余地があるのでしょうか。お布施の額と葬儀の参列者の数を読み取って自動的にお経の長さを変えるとか・・・?
この雑誌を宣伝するつもりはありませんが、なんとなくユーモアを感じます。小難しい仏教哲学や説教などは全くなくて現世利益に徹しているところが潔い。買ってみたい気もするし、1,740円は高いような気もするし。
自画自賛否両論
2019.01.31
このブログをほめてくれる人がいました。学生時代からの友人ですが、その人も編集・ライター稼業のプロなので、わかる人にはわかるんだなあ、とこちらはいい気分になりました。
と、これは本当の話ですが、「友人がほめた」というのは他人からの評価で、それを「ここに書いた」というのは自画自賛というものでしょう。
少し前にこんな経験をしました。あるイベントが大変よい成果を得たので、終了後に担当者をほめようとしたまさにそのとき、その担当者自身が言い放ちました。「私ががんばったらうまく行ったんです」 その瞬間、ほめ言葉が引っ込んでしまいました。ムムムムム。 ほめたいと思ったのに、ほめられなくなってしまいました。自画自賛以上にこちらがほめて上げればよいようなものですが、そんな気力も吹っ飛んでしまいました。お互いに、こんな不幸なことはありません。
長い会社勤めの間には、一生懸命仕事をしてそれなりの実績を上げたにもかかわらず、ちっともほめられない、という経験をずいぶんしてきました。実にくやしい。誰かに自慢したい。その気持が抑えられなかったこともしばしばですが、自分から口に出して逆効果になってしまったことが多かったかな。かと言って、評価されるまで何年も待つというのもねえ。「黙っていれば必ず誰かが見てくれているもんだよ」などというおためごかしの常套句ほど怪しいものはありませんが、ときたまその実例に遭遇するから話がややこしくなってしまいます。
自分の手柄でもないことをすべて自分の実績だと本社にレポートする外国人マネージャーもいました。そんなインチキレポートをそのまま信じる上司の目も節穴だと思いますが、それが見事に成功したと思われる実例もありましたから、このあたりがまた実に難しい。
企業人ではなくて、企業そのものの場合は黙っているばかりではいつまで経っても評価されません。評価されるまでの時間をコストと考えるべきだと思います。いいことをしたら、それをアナウンスするのは説明責任の一部と言えるでしょう。人事評価と広報活動とは分けて考えないといけませんね。
黄色いベスト
2019.01.29
フランスの抗議運動の報道が日本では少なくなりましたが、実際はますます盛んなようです。そのデモの参加者が着用している黄色いベスト。あれはなかなかいいアイデアだと思います。デモで着用するのもアイデアではありますが、クルマに黄色いベストの搭載を義務づけたことの方です。
フランスでは、故障などでクルマを離れるときには、このベストを着用することが義務づけられていると聞きました。日本では三角の表示板を後方に置くことになっていますが、それを置きに行くのも、高速道路ならかなりコワイ思いをするでしょう。そのときに黄色いベストがあればちょっとは安心かな。そもそも最近は、新車を買っても発煙筒は車内に設置されていますが、三角表示板はついてきません。わざわざ購入する必要があります。
日本でも黄色いベストを義務づけたらどうでしょう。と、そう提案したいところですが、たぶん実現しないでしょうね。それによって大規模なデモが起きたら困ると、為政者たちはきっと考えるでしょうから。
(写真は、2018年4月のパリで。まだベストを着ていない)
屋上の楽園
2019.01.18
すっかり関心の圏外に去ってしまった存在があります。私にはデパートの屋上もそれ。昔は小さな遊園地などがありましたが、いまの世の中にそんなものが残っているはずもなく、何があるのかわからないし用もないから足を向けることもない。そのうちにデパ屋のことなどすっかり忘れてしまいました。それがひょんなことから銀座のデパートの屋上へ上がることになったのでした。
そもそもエレベーターの「R」ボタンが作動しないデパートがあります。レストランのある最上階からさらに階段を上らないと屋上へ出られなかったりします。デパートとしても、屋上はできれば上がってほしくないスペースなのかもしれません。
まず訪れたのは銀座三越の屋上。半分はレストランになっていますが、もう半分は立入禁止の芝生の周りに短い遊歩道ができていてベンチもある。小さい子を遊ばせているお母さんがいました。そこで驚いたのは、神仏両方の祠があって社務所らしきものに係員が常駐していたことです。神や仏が機能している空間であるようです。もう一つ印象に残ったのは、あの和光の時計が見下ろせたことです。と言っても高い柵があって半分しか見えませんが、ちょっと非日常なビューを楽しむことができました。
次は松屋銀座。階段を上がったらゴルフ練習場の入口でした。一部のエレベーターでないと屋上には上がれないようです。開放されているスペースは小さく眺望もありませんが、ここにはお寺がありました。ガラス窓のウチソトに座れるスペースがあって、そこでコンビニ弁当を食べている人がいました。ここは穴場です。知る人ぞ知る隠れ家ランチスペースです。
最後は旧松坂屋のGINZA SIXです。高い、広い。全周にわたって遊歩道があって、銀座を上から見下ろせます。スカイツリーも東京タワーも見えます。屋上庭園もよく手入れされているし、中央の広場もな~んにもなく広々していて、天気がよければ異次元感のある快適な空間です。まだ外国人観光客には知られていないようです。銀座を歩いていて疲れたら、ここで一休みがお薦めです。
T先生へ
2019.01.11
ご入院、手術とうかがいました。いろいろとご心配でしょうが、現代医学は進んでおりますから、きっと手術は成功するだろうと思います。
周囲にも何人か同じ病気を患った者がおりますが、共通しているのはみなヘビースモーカーであることです。聞いた話では、タバコを吸うと唾液に有害物質が混じり、長年の間に食道を侵すのだとか。こわい話です。きっと病院の先生からも「これを機会に禁煙してください」と強く指導を受けられたのではないかと思います。それに対してどのようにお考えになったのか、少々気になっております。やはりタバコがいけなかったのだなあ、と心底気づかれたのでしょうか。いや、たまたまだよ、タバコを吸っていても罹らない人も多いじゃないかとお考えになったのか。
肉親や知人のヘビースモーカーたちは、ほかにも肺がん、膵臓がん、胆嚢がんなどにかかって死んで行きました。タバコの害は専門家の指摘を待つまでまでもなく、実感しております。ご自身がご病気になられた上は、その「実感」ははるかに現実的なものではないかと考えるのですが、いかがでしょう。
ご病気になる前のことですが、居酒屋などが全面禁煙になったら「俺はどうやって生きていけばいいのか」とおっしゃっておられたそうですが、これからどうやって生きて行かれるおつもりですか。
ご尽力いただいた健康増進法改正案はずいぶん抜け穴だらけです。このままでよいのかどうか、お元気になられましたら改めてご見解をうかがいたいところです。
末筆ながら、一日も早いご回復をお祈り申し上げます。