Q6
メールマガジンというのは、広報課が発信したリリースや情報発信を一定の間隔でまとめて、社内に発信するようなことを考えておられるのでしょうか。それもよい方法だと思いますが、自社から出したリリースや情報は、発表した同時刻または直後にメール等で社内に発信する方が、社員の関心を呼ぶのではないかと思います。イントラネット上に掲載するのもよい方法です。それらによって広報部門の活動が逐次社内に知られることになります。会社から社外に発信された情報が、社員より先に社外の人の方が知るというのは好ましくありません。
毎朝のニュースクリッピングも有効です。トップや幹部が一番気にしている業界の動きが一目瞭然でわかるので、知らず知らずに便利だと思われるようになり、いつの間にか広報担当者の存在価値が認識されるでしょう。そこには自社の記事もクリッピングされるので、広報の活躍が知らない間に社内にインプットされるというメリットもあります。
出社時間の1時間か30分前に出社して作業して、幹部が出社してきたときには、これが机の上に乗っている、という活動を半年も続ければ、広報課の評価はものすごく高くなるでしょう。実際に広報の1~2人が交代で始業時間の1時間前に早出して この作業をしている会社がたくさんあります。
次に、社内から情報を収集する方法です。情報をうまく収集する条件は次の2つです。
1)担当者が社内を歩き回り、こまめに情報を聞き出す活動をする。
2)社内の各部署が情報を出したい、あるいは出さなくてはならないと思うような状態にする。
1)は広報の基本です。そのためには、
a)社内のいろいろな人(役員、幹部を含めて)と人間関係を確立することが必要です。要は仲よくなることです。
b)人間関係を確立するためには、この人は話をよく理解してくれる、とか、秘密の部分まで話しても機密はちゃんと守ってくれる、といった信頼関係をつくることが大切。これは実績を積み重ねることしかないでしょう。あの人は口が堅いという信頼を得ることは大切です。広報の仕事は情報発信なので、「おしゃべりな仕事」という誤解を受けがちですが、発信すべき情報と守るべき情報の区別をしっかりつけておかなければなりません。
C)相手が出したがる、あるいは簡単に出して来る情報は、あまり価値がないことが多いものです。それぞれの部署の人が自分ではその価値に気がつかなかったような事実が、意外にニュースバリューの高い情報であったりします。そのためには「なにかいい情報はない?」 と尋ねるだけでは不十分です。何気ない会話をいろいろな人とすることです。もちろん、その話がニュースになりそうだということに気づく 勘や問題意識も必要です。そうやって広報的なセンスが高まると、それがまた信頼につながります。
2)の「社内の各部署が、情報を出したい、あるいは出さなくてはならないと思うような状態にする」ためには、リリースしたら問い合わせが殺到した、といった実績の積み重ねが最も効果があります。すると、「今度の新製品を新聞に大きくとりあげて もらいたんだが・・・」といった相談が広報課に持ち込まれるようになるでしょう。