甘いも辛いも
2016.05.2
居酒屋に入ると、
「お酒ちょうだい」
「どのような酒がよろしいでしょう?」
「辛口! 俺、甘口はだめなんだ」
といった客と大将との会話をしばしば耳にします。
生意気を言うようですが、この客はたぶん酒の味をご存じない。また少々古い。
何年か何十年か前、アサヒスーパードライが発売され地酒がブームになったころ、なんでもかんでも辛口が持て囃されたことがあります。それまで大手酒造会社がつくっていた水飴(醸造用糖類)をたくさん投入した日本酒がここで否定されました。しかし、いまはそんな甘い酒はほとんどありません。甘い辛いは、いまの日本酒にはほとんど意味をなさない尺度となったわけです。
おっと、日本酒談議をするつもりではありませんでした。甘い辛いといった二項対立的な評価や発想はたいていインチキ臭いということを言いたかったのですが、連休中でもありますので、このへんでやめておきます。