年賀状の季節
2010.12.3
そろそろ年賀状の用意をしなくてはならない季節になりました。会社から出す年賀状のデザインについては、デザイナー経験のある社員がいま頭を悩ましていますが、個人の年賀状に関してはいまのところな~んにもアイデアなし。まあ、そのうちなんか思い浮かぶだろうと暢気に構えております。
私、年賀状を大切にする方です。小学校を卒業してから一度も会ったことのない「友人」と半世紀にわたり年賀状の交換を続けています。毎年、元旦の朝にお互いの無事を確認し合うだけのことですが、賀詞の横に書かれた短い文章から、質屋の一人息子だった彼が大銀行を無事に勤め上げ、その後小出版社へ籍を移したことを知りました。
大学時代の友人で、これも卒業以来、年賀状の交換だけだった男と京都で再開したのが2年前。お互いの仕事を語り合ううちに、これは互いに協力できそうだと考えました。そして今年、彼の協力を得て一仕事を成し遂げることができました。
この季節は、同時に欠礼のお葉書をいただく季節でもあります。今年も何枚かのお葉書が届きました。ご両親やご兄弟のご不幸に混じって、昔の同僚が亡くなったことを伝える奥様からの葉書も頂戴し、しばらく遠くを見つめてしまいました。社内結婚をしたその奥様が20代前半だった頃の溌刺とした姿、その彼女との結婚が決まって心底嬉しそうな同僚の表情。一枚の葉書から記憶が次々に浮かび上がってきました。
それもこれも、年賀状という習慣がなければあり得ないコミュニケーション、人間関係です。
定年退職すると同時に年賀状をやめてしまう人もおられます。宮仕えから完全に足を洗って、これからは別の人生を送ろうという決意なのかもしれません。それはそれで一つの考えです。しかし、惰性で出す年賀状、義理で出す年賀状、下心で出す年賀状・・・それでもいいじゃありませんか、1年に一度のことなんですから、と私は考えております。さあ、今年はどんな年賀状を出そうかな。〈kimi〉