これでよいとは思いませんが
2011.04.18
私は菅直人という人に一度も会ったことがありません。ましてや腹を割って話したこともない。メディアを通して、その行動の一端については70年代から伝え聞いてはおりますが、実際にどんな人物なのかはまるで判断がつきません。
その首相に対する批判がメディアで高まっています。とくにいくつかの新聞は、その一挙手一投足についてことごとく批判を展開しています。どんな思惑があるのか知りませんが(うすうすはわかっておりますよ、もちろん)、そこまで書かれるのですから、菅首相もお世辞にもうまくはやれてはいないのでしょう。
しかし、だからと言って他の誰かが政権を担えばうまくやれるのかと言えば、決してそうとも言えません。誰がやっても五十歩百歩。画期的に事態が改善するなんてことは望めません。日本が緊急事態に直面しているこんなときに政局を混乱させてはかえってマイナスでもあります。
それよりも気になるのは素朴な「強いリーダー待望論」が高まっていることです。強力なリーダーが一人であれこれ指示を出せば、物事の進行が多少は速くなるかもしれません。しかし、それに従って誤った指示を出す確率も高まります。さらに問題なのは、一つの価値観ですべてを決定してしまうことです。それによって不幸になる人たちが必ず出て来ます。多くの場合、幸福になる人たちより不幸になる人たちの方が多くなることは、過去の歴史からも明らかではありませんか。
現政権を支持しているわけではありませんが、妙な独裁者が登場するよりはよほどマシではないか、と考えつつ今後の成り行きを心配しております。〈kimi〉