把瑠都の広報戦略
2012.01.23
大相撲初場所で、エストニア出身の把瑠都が優勝しました。把瑠都の相撲内容について、一部の新聞が強い批判記事を書いていましたが、何年間も日本人力士の優勝がないことへのいらだちが書かせてうるようにも思えました。
それはともかくとして、これから把瑠都の人気は急上昇するのではないか、と予測しています。 もちろん強くなれば力士の人気は上がるものですが、これまで圧倒的な強さで土俵を席巻してきたモンゴル人ではなく、ヨーロッパ人力士の優勝であることの新鮮さがもう一つ挙げられるでしょう。
彼の言動は寡黙をよしとする伝統的な相撲社会のそれではなく、開けっぴろげです。それに対して批判的な日本人も少なくないのでしょうが、彼の欧米的な価値観は抑えようにも抑えられないように見受けられます。観客の声援に手を挙げて応えていたのもその一例です。これなど、若い日本人には少しも違和感を与えないはずです。
もう一つ、私が注目したのは、千秋楽での奥さんのエレナさんの和服姿です。広報的に見ればこれはかなりのクリーンヒットです。あれだけでフアンを増やしたに違いありません。また、テレビで見る限り、彼女はかなり古き日本女性のたしなみを勉強しているように見えました。日本語もある程度はできるようです。これらはすべて把瑠都の人気を高め、日本人に評価される方向に寄与するものと思われます。
これらの広報戦略を裏で演出している人いるとすれば、大したスゴ腕です。把瑠都夫妻が自分たちで考えたとすれば、彼らはかなり賢いと言えるでしょう。〈kimi〉