関東の北東部にある町を訪ねました。カメラを持って出かけるのはほぼ8ヶ月ぶり。古い家並みが残っていると聞いたので、それらを被写体にしようという狙いです。
市営の広い無料駐車場は平日ということもあってかガラガラ。掲示板横の箱から案内地図を取り出して歩き出しました。
メインストリートと思われる道を歩いているのは、私のほかに駐車場のパジェロから降りてきた長髪の中年男性と女の子を連れた男性の計4人。みな観光客のようです。
まず観光案内所のような立派な施設に寄ってみました。案内所が左。観光パンフレットや地図が置いてあるホールの奥に事務所がありましたが、みなさん自分の仕事に熱心に取り組んでおられて、入って来た観光客には関心がないようでした。右が小さな博物館。発掘された土器から江戸時代の道具類まで展示されていました。
さて町歩きです。地図を頼りに600m四方ほどの地域に散在する○○家住宅とか××家住宅といった国の登録有形文化財に指定されている古い建物をざっと見て回りました。それぞれが個人の所有で実際に住んでおられる現役の建物だったりするので、内部を見学することは叶いません。外側から眺めるだけです。
余裕のある家は古民家であってもしっかり補修されています。一方で廃屋になっている建物も少なくありません。空き地もあちらこちらに見られました。店の多くも閉まっています。ほとんど人影を見かけません。車もめったに通らない。少々気が重くなってきて、写真を撮る気も萎えてきました。
「割烹」と看板を掲げた店が営業していたので、そこで昼食をとることにしました。まだ1時前なのに客は私だけ。
「水曜日は町の一斉休業日なんですか?」
店のご主人が答えました。
「そういうわけではないんですが、昔から水曜日に休む店が多いんです。ま、水曜日でなくても同じようなものですよ」