カテゴリー:「もぐもぐ」の記事
「なぜこれをくださるのですか」
2022.10.13
学校を出てからずっと会社勤め。自分で会社を興しても会社勤めには違いありません。カッコよく言えば“ビジネス社会で生きて来た”ということになりますが、そういう自覚はありませんでした。
ところが今年、居住地域の活動に引き込まれてしまって、それを思いっきり自覚させられることになりました。
そのモロモロはいずれ書くとして、先日はこどものためのミニ縁日と地域住民の作品展が開催され、作品展の係を命じられました。写真展の経験は何回もあるのでお安い御用です。
店開きをして間もなく、一人の高齢婦人がお越しになりました。そして氏名・住所・電話番号だけが印刷されたシンプルな名刺を差し出されました。こちらは名刺の用意などありません。すると小さなカードを差し出され、ここに住所と名前を書けとおっしゃる。すぐご近所ですから、逃げも隠れもできません。ご要望通りにいたしました。
2、3時間後のこと、その高齢婦人がペットボトルに詰めたお手製のコーヒーを差し入れてくださいました。一口飲んだらその甘いこと甘いこと。
その日の夕方、件の高齢婦人が自宅を訪ねてこられました。お手製の料理を冷凍保存したもの2品お持ちくださったのです。ありがたいことです。なんでも資格をお持ちだとか。何の資格かは聞き漏らしましたが。
何はともあれお気持は誠にありがたいものの・・・。
10月9日付毎日新聞のコラム「松尾貴史のちょっと違和感」にこんな記述を見つけました。
「差し入れといえば『なぜこれをくださるのですか』と聞きたくなる物を持ってこられる人もいる。いや、善意をもらっておいて不平があるわけではないのだけれど、もったいないなあと感じることが、ままあるのだ。
ファンの方による手作りの食べ物は、いかに心がこもっている物でも、出演者に届けられることはまずない。もちろん、安全上の問題だけれども、たとえ直接『人柄の良さそうな』方に楽屋口などで手渡されても、それを口にするということはない。」
「ココランチ」本日閉店
2022.03.12
本日、このココノッツのサイト(ホームページ)にあった「ココランチ」というコラムを削除しました。
2008年の創業間もなく、ココノッツのある麹町/半蔵門界隈でランチをとるのにお薦めのお店を紹介するコラムとして設けました。少しでもココノッツのサイトを覗きに来てくださる方を増やしたい。つまりPVを増やす目的で始めて足かけ14年続きました。自分たちで実際に食べて「ここはいいねえ」と言える店だけを紹介することにこだわりました。ときには批判や皮肉も書かせていただきました。しかし、もうダメです。ご推察の通りCOVID-19、新型コロナの影響です。
2020年から出たり引っ込んだりした「緊急事態宣言」やら「まん延防止等重点措置」やらの中で、この界隈でも多くの素晴らしいお店がひっそりと、いつの間にか消えてしまいました。
ココノッツもリモートワークが中心となり、社員が出社する日が極端に少なくなりました。会食が制限されると、お昼を食べに出るよりコンビニ弁当やキッチンカーで購入したランチが多くなりました。外食しなければお店の情報も得られません。知らないうちに閉店していて驚いた、といったことが重なりました。
そんな中、新たに開店するお店もありました。しかし、それらを利用する機会が滅多に訪れないので、「ココランチ」で自信を持ってお薦めすることができません。
そんなこんなで、「ココランチ」を継続することはあきらめました。
これまでお読みくださったみなさま、利用していただいたみなさまには申しわけありませんが、そんな次第で「ココランチ」も新型コロナに負けたのでした。
(画像は本文と関係ありません)
どうにも手に余る
2022.02.07
10年以上前、退職祝いに有志の方々からいただいたのがこの写真の携帯用ボトル。スキットルとかフラスコとか呼ぶらしいんですが、「酒好きにはこれだろう」と暖かいお気持で選んでくださったものです。中央には伸縮カップはめ込まれていて、これでスコッチをチビチビできる。なぜスコッチかと言えば、これがスコットランド製だからです。間違ってもバーボンやらジャパニーズを入れてはいけません。そんな法律はありませんが。
このタイプの新品はいまは手に入らないようです。結構なお値段します。
しかしです。贈ってくださったみなさまには申し訳ないことながら、たった1度使っただけで、どこにしまったかすっかり忘れてしまいました。家内捜索の結果、ようやく発掘したところです。
何故使い続けることがなかったのか。
理由の1:通でなくてごめんなさい。スコッチはストレートで飲むのはちょっとキツイんです。だからと言って水割りにして詰めるのもなんだかなあ。うまい焼酎を本場鹿児島でやるように前の日から水でで割っておく「前割り」ならよいかもしれません、日本酒を入れたらすぐに飲んでしまいそう。もう少し入るといいんですがね。いずれにしても、スコッチしばりですから、そんなことをしてはいけません。
理由の2:中身を飲み切ったあとも、そこらに捨てて帰るわけにはいきません。環境には大変好ましくはありますが、旅先で空容器を持ち歩くというのは抵抗があります。その昔の遠足では空水筒を持ち帰りましたがね。
ではさらに注ぎ足したらどうでしょう。行った先の酒屋で追加でスコッチを買うとしても、全部は入りきらない。残りはどうしたらよいでしょうか。飲んでしまう、というのも一つの解決策ですが、前後不覚に酔っ払ってしまいます。身体にも悪い。スコッチの残りが入ったビンをを持ち歩くなら、このスキットルを使う意味がありません。どうにも手に余る。
まあ、そんなこんなで使っていなかったのですが、寒い日が続きます。これを湯たんぽ代りにするのもよいかもしれません。どうせならただのお湯ではなく、スコッチのお湯割りを入れたりして。でも、冷めたら美味しくないだろうなあ。
と、寒い寒い昨日の日曜日、外出はオミクロンが怖いので、家に籠もって思案し続けていたのであります。
Facebookと天然うなぎ
2021.12.10
47都道府県のうち足を踏み入れていない県が2つ残っていました。高知県と大分県。海外へ行ける機会は今後あるかどうかわからないので、新型コロナがスキを見せている間に、こちらの方をつぶそうと思い立ち、高知県に行ってきました。
ここ何週間か、高知ばかりでなく四国4県で新型コロナの感染者ゼロが続いています。
新型コロナウイルスはヒト*に感染しなければ存在できない⇒高知では感染者がゼロ⇒高知には新型コロナウイルスは存在しない、という怪しげな三段論法で安全に旅行ができると信じることにしました。*ネコにも感染するそうです。
高知へ行ったら訪れてみたいと思っていたのは四万十川です。鮎の友釣りを趣味としていた若いとき、四万十川で鮎を釣るのが夢でしたが叶いませんでした。いまとなっては友釣りよりもうなぎです。四万十川でとれた(たぶん)天然うなぎの蒲焼きが食べられるという店へ直行しました。
帰京してから、この写真をFacebookのうなぎ好きのグループに投稿してみました。すると、あれよあれよという間に378もの「いいね」がつきました。これまでFacebookでいただいた「いいね」の最多数です。うなぎ好きの人たちにとって、四万十川の天然うなぎの蒲焼きは一つの憧れなのでしょう。
では、その味はいかがであったか。それはこれから四万十川に訪れる方々のお楽しみとしておきましょう。ちなみに、ことわざに「名物にうまいものなし」というのがありますが、写真とは関係ありません。
どら焼きの皮
2021.03.04大手カステラメーカーの工場に直売所が付設されていることを、知人から教えてもらいました。そこではカステラの切り落としを売っているとのこと。目が輝きました(鏡で確認してはいませんが)。
カステラは子どもの頃からの大好物。とりわけその端っこや底のザラメが好みです。切り落としを見逃すことはできません。さっそく出かけて来ました。
お目当てのカステラ切り落としを購入したついでに、直売所の品々を探索していたら、「どら焼きの皮」という商品を発見していまいました。餡なしの皮だけです。瞬間にして、これこそが私のアンメットニーズであったことに気づきました。
どら焼きも店によって満足度が大きく異なります。餡の甘さや風味も重要な構成要素ではありますが、私においては皮のふっくら感や柔らかさ、弾力、舌の感触などの方をより重視しております。
迷わず買って来た「皮だけ」を食べてみると、これは感動でした。
ここのどら焼きは、大きな字では書けませんが、あえて買って食べたいとは思っていませんでした。しかしこの「皮だけ」はうまい。絶品です。
餡が入っているとソコソコ。餡がないと絶品。これはどうしたわけでしょうか。
その上、大発見までしてしまったのです。それは、
「どら焼きの皮はパンケーキである」
という真理であります。それに気づいた人はこれまでおりません(たぶん)。
つまり「どら焼きとは二枚のパンケーキで餡を挟んだ菓子のことである」という新定義がここに生まれたことになります。
ものを別の視点から見ると、まったく異なるもの見えて来る。まさにどら焼きをリフレーミングしてしまったのであります。
ココランチがピンチだよ
2021.01.29
このココノッツのサイト内に「ココランチ」という、オフィスのある半蔵門・麹町界隈のランチの店を紹介するページがあります。そこがいまピンチです。
古くからある名店がある日突然閉店してしまったり、別の新しい店に入れ替わっていたり、それが激しいのです。
言うまでもなく、新型コロナが流行してから2度の緊急事態宣言とやらを経て、飲食店は苦境に立たされています。夜の営業が制限されるばかりでなく、ランチの客も減っています。出勤者を7割減らせと霞ヶ関方面から大声で叫ばれているのですから、そこからほど近い半蔵門あたりが影響を受けるのも当然でしょう。タクシードライバーの客が多いラーメン店の話では、タクシーも減車しているのでめっきり客が減ったそうです。
サイトで世の中に公開している以上、存在しない店をいつまでも「ココランチ」に掲載していてはフェイクニュースになりかねません。丹念に調査をして正しい情報にアップデートしなければならないのですが、私たちもテレワークでオフィスへ出勤する回数が極端に減っています。ランチをとる機会も減っているので実地調査もままなりません。
閉店が確認されれば紹介を削除しますが、その店舗で新たに開業した店があっても、それを代わりに紹介するというわけにも行きません。いつまた閉店してしまうか、いま状況ではなはだ覚束ない。そんなわけで掲載するお店がどんどん減ってしまいました。
コロナ禍はココランチまで苦境に陥らせております。幸い「ココランチ」の社会的インパクトはほぼゼロですが。
うまいもんが食いたいなあ
2019.05.24
この3日ほど、東京ビッグサイトで仕事をしています。たまにはこういう異空間に身を置くのも悪くはありませんが、ちょっぴり悩ましいのは昼食です。構内にはいくつもレストランやカフェテリアがあります。コンビニもある。有名コーヒーチェーンもある。少し足を伸ばせば、周辺のオフィスビルに入っている飲食店も利用できます。にもかかわらず、昼時になると「さて、どこで何を食べようか」と悩むことになります。
理由は混むことと旨くないこと、この2点につきます。
このあたりの飲食店は、どこか「こんなもんでいいでしょ。それでも客は来るんだから」と考えているかのような、取り柄のない店ばかりです。新しく造成された土地柄だけに個人経営の店は見あたらず、ほとんどチェーン店ばかりであることがその一因でしょう。
しかたがないので、業績不振が取り沙汰されている家具店が入っているビルに出かけて、1日目は照り焼き丼、2日目はぶっかけうどんに鶏天、3日目はコクうま味噌らーめんということになりました。もちろんすべてチェーン店。もうあきました。
小賢しいことするんじゃね~や!
2019.03.01
昼食に入った店のテーブルに、見慣れぬ金属製のプレートを発見しました。禁煙マークがあり、その横に見慣れぬマークがあります。「禁煙、Ploom TECHだけ」。たばこを吸わない筆者には、何のことかにわかに理解できませんでした。やがて、はは~んと推測できました。Ploom TECHって、電子タバコとか加熱タバコっていうやつの商標かな? ということは、加熱タバコだけは吸っていいよ、それもPloom TECHというブランドのものだけよ、ってこと?
店の熟年おねえさんに、「これって、たばこ屋が置いて行ったの?」とたずねたら、「そうです」という返事。これですべてが推測通りとはっきりしました。
マーケティングの手法としては見事ですね。よく考えたなあと思います。しかし、だんだん腹が立って来ました。小賢しいことするんじゃね~や!
やはりリアルワールドか
2017.03.06遠出をしたり出張したりするとき、ちょっとうまいものを食べないなあと思いますよね。以前(だいぶ前ですが)だったら、“食べログ”などで検索して探したのですが、近頃はどうもいい店が見つかりません。Googleで検索しても上位にはそれらの大手飲食サイトがずらりと並ぶばかり。ステマとまでは言いませんが、本当に「いい店」はネットでは探せなくなっています。
それらの飲食サイトの“口コミ”をみると、妙に上手ぶった文章がならんでします。「ヨメさんとどうしたこうしたので、どこそこへ行ったら満員だったのでこの店に行ってみた・・・」などと、こちらには関係ないどうでもいいことがズラズラ並べられていて、うまかったのかまずかったのか、なかなか結論に到達しません。“ガッテン”じゃないんだから、そんなにひっぱらなくてもよさそうなものです。食べる前にヘドが出そうになります。
一体あの“口コミ”はなんなのでしょう。どこにも自己表現する場のない人たちが、あそこで自己満足に浸っているのでしょうか。それとも消えた某健康サイトのような裏マニュアルが存在しているのでしょうか。
やはりリアルワールドで友人知人から教えてもらうのがたしかだということになるのでしょうね。