ブランドバラバラ
2016.08.16必要があってこのところ「ブランド」について勉強し直しています。手持ちの書籍を読み直し、ネットも検索して再認識したことは、少なくとも日本ではブランドの概念が十分定まっていないということです。実際に解釈はバラバラ、説明もいろいろなのです。共通しているのは、D.A.アーカーの引き写しの部分だけだと言ってよいでしょう。
こんなことを言うと大学の先生あたりから馬鹿にされてしまいそうですが、そもそもアーカー先生の記述がわかりにくい。原著は読んでいないので翻訳の責任かもしれませんが、あの書き方ではすんなり理解できません。だからみんな勝手に解釈している。たとえば「取引のテコ」という表現。だれも日本人にわかりやすいように説明できていません。
こんな混乱した状況のままブランドを語っていては、日本企業のブランドエクイティを確立するのは難しいのではないかと危惧してしまいます。
いりません
2016.08.10友人が、最近読み返した古雑誌の中のエッセイが面白かったから、読んでいなかったら今度会うときに持ってくるとメールで知らせてきました。
友人は善意から言っているのでしょう。それを疑う余地はありません。しかし、こちらも読みたい本や雑誌は山ほどあって、それがなかなか消化しきれません。星の数ほどあるエッセイの一つを私が読んでいる可能性など極めて小さく、また読んで見れば面白いのだろうとは思いますが、なにか押しつけられているようで気が重い。そろそろ蔵書やら過去の趣味道具やらを処分しなければならない年齢にもなってきました。しかし、友人から頂戴したものとなると、おいそれと処分もできかねます。
そういうわけで、その古雑誌をお持ちいただくのをきっぱりお断りしたのでありました。断るのもよい気分ではありません。だから、私も友人知人に本を差し上げることはほんとんどいたしません。
オリンピックと古い日本
2016.08.09オイオイ、これはないよなあ、と思ったのは私だけではないようです。オリンピック開会式での日本選手団のユニフォームです。1964年の東京オリンピックのビデオを見ているような気がして来ました。時代錯誤もいいところ。ネットでも批判が盛り上がっています。
私たちも仕事でよく経験するのですが、せっかくよい案を提出してもクライアント側でそれを見抜く力がない。陳腐な案が採用されてしまう。エライさんが決定権を持っていると、提案する側もエライさんの嗜好に合わせて企画を提案しますから、ますますおかしなことになって行く。こうして、日本では新しいアイデアが次々と消えて行きます。これではマイナス金利にしても国債増発で予算を膨らませても成長の手がかりはつかめません。
日本選手団は大手百貨店が手がけたそうですが、経緯は容易に想像できます。入場行進の旗手の後にエライ役員さんがゾロゾロ続いて選手がその後だったことも含めて、日本のオリンピックが、そして日本のシステムが古い日本のヒエラルキーと官僚組織によって動かされている証拠がこんなところにちょいと現れてしまったということでしょう。
お祭り休暇
2016.08.08部下となった女性から真っ先に申出がありました。毎年夏に地元のお祭りがあって、その翌日は声が出ないのでお休みをいただきたい。そういうことなら休んでもいいよと即答しましたが、声が出なくなるお祭りとはどんなものか、その年の祭を早速見物に行きました。そこで見たのは、山車の高い高い屋根の上で半纏にパッチ姿で掛け声をかけている彼女の姿でした。彼女は生まれ育った町内のお祭りクイーンだったのです。
その八王子祭を一昨日久しぶりに見に行きました。山車上の小さな舞台で舞うお神楽とお囃子で山車同士が合戦をするのが見物です。一昨日は盆踊りの参加人数のギネス記録を更新したとか。東京でも23区内では知られていませんが、なかなかに盛大です。人出も多いのですが、浅草や神田あたりの祭に比べたら適度であるところが気に入っています。
かつてお祭りクイーンだった彼女の姿もありました。さすがにいまは屋根には乗らず、高齢者の車椅子を押しながら山車の後を進んでいました。女王から皇太后になったといったところでしょうか。これもボランティアの一つのあり方。地域と共生していることに違いはありません。あのとき、お祭り翌日の休暇を認めてよかったと考えています。
シン・ゴジラ
2016.08.05先月末に「シン・ゴジラ」という映画が公開されたそうです。「そうです」というのは、公開日の直後から、FacebookやTwitterなどから「シン・ゴジラ」に関する話題がどっと押し寄せてきて、初めて気がついたからです。じっくり思い返せば、新聞か雑誌で新しいゴジラ映画ができたようなことを読んだ記憶があります。しかし、公開日以降、オールドメディアからはほんとんど情報が届かず、ネット経由でもう結構というほど情報が届くという状況におかれました。プレイステーションでもデモ動画が見られるようで、新しいメディア総動員。それに鋭く反応した人たちがどんどん書き込んで来ます。なんだなんだこれは・・・。こんなに新旧メディアの違いを実感したことはありません。もうそうなっているんですね、現実は。
都知事のお蔭ですが
2016.08.03前の前の都知事であった猪瀬氏が行ったことで、一番ありがたかったのが九段下駅で都営地下鉄新宿線と東京メトロ半蔵門線の境の壁を取り払ったことです。お蔭で半蔵門線で渋谷方面から来た客は、ホーム向かい側の新宿方面へ向かう新宿線に乗り換えることができるようになりました。もちろんその反対もできますが、猪瀬都知事がやったことは壁を取り払ったことだけで、都営と東京メトロがお互いに協力し合うというところまで及ばなかったのが残念なところです。
同じ鉄道会社なら接続と言って、客が乗り換え終わるのを見計らってから発車させますが、九段下駅ではそういう配慮は一切しません。都営地下鉄の電車の乗り降りが終わったら、反対側ホームに東京メトロの電車が到着して客が降りていても、知らん顔してドアを閉めます。その反対も同様です。乗り換えの便を図るより自社のダイヤを守ることを優先します。
都民ファーストを掲げる新知事がこれを改善するでしょうか。しないでしょうね、きっと。
だったりします
2016.08.02リリースのつくりかたに関する記事を読んでいたら、「メディアに届けるリリースの存在がとても大事だったりします」という文章に出くわしました。「だったりします」ねえ。いま流でしょうか。さらに読み進むと、「究極で言うと、・・・」というのにも出くわしました。これ、日本語ではないでしょう。こんな人にリリースの作成を頼んだら大変だなあ、と思いながらさらに読み進むと、自分ではリリースを書かずにライターさんい書いてもらうとありました。それならいいか? 記事全体で言っていることは間違っているとは思いませんが、私なら、この人からリリースに関するアドバイスは受けたくないですね。もちろん個人的な感想だったりしますが(^O^)。
運動神経がない?
2016.07.28スポーツが不得意な人間に向かって、昔はみな“運動神経がない”と言いました。いまの基準ならとんでもない差別発言でしょう。運動機能に障害が出る病気はいくつもありますが、運動神経を持っていない人は存在しません。スポーツが得意か不得意かは、その人の個性に過ぎないことは改めて言うまでもありません。
世の中に「障害」と名のつく診断名は数々ありますが、診断されたからといって必ずしも疾患というわけでもない。個性なのか障害なのか。個性なら苦しまないが障害なら苦しむことになるのか。
相模原市の障害施設での殺傷事件とリオオリンピックの報道を見ながら、そんなことをぼんやり考えていました。
もやもや
2016.07.26先日トップインタビューへの立ち会いを依頼されました。
トップインタビューと言っても、トップが取材対象というわけではなく、事業に関する発表なので実務責任者による説明でほぼ完結。重要案件なので最高経営責任者が発表に立ち会うと言えばその通りに違いなく、広報の観点からはまことによいことではありますが、そればかりではないようにも感じられました。トップが出たがった、トップを出さないと叱られると部下が忖度した、なにはともあれトップの顔を立てなければ・・・なんだかそんな空気さえただよっておりました。トップが広報に理解があることは誠に結構ではあるのですが、なんとなくもやもやしております。
1年間の成果
2016.07.21労働関係の助成金が下りることが決まったという「決定通知書」が届きました。事前の就業規則の改訂やらいくつもの申請やらを始めてから1年かかりました。その間、何度飯田橋へ通ったことか。ああでもないこうでもないと受付のオジサンから重箱の隅を突かれ、電話で就業規則の誤植を指摘され、どうなることかと思っていたところでした。それらに費やした時間と仕事量を助成金の額を比較すると、果たしてペイするのかどうか微妙なところではありますが、なにはともあれ現金が入ってくるということは中小企業にとってはありがたいことです。
さらにそこから東京都への申請をする必要があります。これも何度か足を運んで事前申請済みなのですが、決定通知書を受けての本申請をしようとしたら、事前申請のときに送られて来た手順書と方法が変わっている。窓口も移転していました。なんという不親切! こういうお役人仕事とくだらなさに気づいて改革しようとする人が都知事候補の中にいるでしょうか。ちょっと絶望。
ご熱心ですね。
2016.07.15ある医療系の勉強会に参加するようになって、もう4~5年になるでしょうか。医療者やジャーナリストなどが真剣に議論する場なので、とても勉強になります。数ヶ月に一回なので、たいした負担も感じることなく、土曜日にわざわざ出かけて行っていました。
ところがある日、幹事をされている方から「ご熱心ですね」と声をかけられました。どういう意味なのでしょう。理性は「素直にほめられたと考えろ」と言っております。感情は「皮肉を言われたね」と言っております。判断に迷うところではありますが、「オマエが来るところじゃねえよ」という意識がその方の心の底にあるのかもしれないとも疑えます。と、そんなことを考えつつ直近の2~3回は出かける意欲をなくして欠席しております。「ご熱心ですね」と言われない頻度はどのくらいなんでしょう?
メンタルトレーニング
2016.07.13稀勢の里、なんだか毎日変な顔をして土俵に上がっています。日曜日の初日をテレビで観ていたら、解説の北の富士さんが“キモチが悪い”と言っていました。無骨な硬い表情が特徴だったのに妙にニヤけています。ニヤニヤしながら今日まで4戦全勝です。このわざとらしい表情は、メンタルトレーニングを受けた結果だと想像します。
先場所までは緊張しきったまま土俵に上がって大切な一番に負けています。気持がやさしいとか弱いとか言われてきました。そこを修正しようと、表情を意識的に柔らかくして緊張をほぐしているのでしょう。優勝して横綱になったら、「実は」と秘密が明らかにされるのかもしれません。それを楽しみにしています。
永六輔さんの訃報に接して
2016.07.12昨日に続いて不祝儀な話ですが、永六輔さんが亡くなりました。お会いしたことはありません。一度だけ名古屋駅の構内で若い女性と二人で歩いておられるところをお見かけしました。同じ方向なので、なんとなく後をついて行くと煮込みうどんの店に入って行かれました。
六輔さんとのご縁はそれだけですが、お父さんの永忠順さんとは何度かお目にかかりました。お父さんもお坊さんながら洒脱な文章の書き手でした。PR雑誌の編集スタッフをしていたとき、短いエッセイを書いていただき原稿を受け取りに浅草近くのお寺にうかがったのです。訪いを入れるとお母さんが玄関で、若僧のこちらに対して丁寧に三つ指をつかれました。
訃報を聞いてそんなことを思い出しました。
すっきりしない気分
2016.07.11つい先ごろまで医療機器業界の中心におられた方が亡くなりました。職務は異なったもののかつて同じ会社で一緒に仕事をしたり相談しあったりした仲でもあり、その人によって業界活動へ引き込まれたという経緯もあって、ぜひ通夜か告別式に参列したいと思ったのですが、たまたま出張の予定とかち合ってしまい叶いませんでした。弔電は打ったもののどうもすっきりしない気分です。
最近引き継いだばかりの別の企業OB会で、世話人としての最初の仕事となったのは会員の訃報をメールで200名弱の会員全員へ流すことでした。故人と親しい同期入社の会員から告別式の日時と場所の連絡を受けたのですが、メールを送信したその日にご遺族からのクレームが伝わりました。告別式の会場が狭いので会葬されてはかえって迷惑だとおっしゃっておられるとか。それぞれご事情はあるとは思いますが、なんとなくすっきりしない気分で、同期の会員からのお詫びと会葬は遠慮してほしい旨の訂正メールを再転送したのでした。
開襟シャツ
2016.07.08暑くなってきました。企業を訪問すると「弊社はクールビズを実施しておりますので・・・」といったお断りの表示を目にすることがあります。省エネもさることながら、湿気が多くて暑い日本の夏にネクタイと上着で通勤したり仕事をしたりするのはナンセンスとしか言いようがありません。
小津安二郎監督の映画などを見ていると出て来ますが、戦後間もなくの日本のサラリーマンは開襟シャツというものを着ていました。それがいつの頃からか、夏でもネクタイに上下のスーツでなくては人と会えないという時代が続きました。その時代にサラリーマンをしていた人(私のことですが)にとってはまったく迷惑な話でした。
クールビズという言葉にはいつまでも馴染めませんが、妙な“マナー”などにこだわらず、涼しい服装で仕事をするのは合理的。大賛成です。
そこまでやるか?
2016.06.30午前中に大阪から帰ってきました。山陽新幹線で停電があったとかで遅れや運休が出ているとのこと。大阪駅で指定券を買うときに確かめたのですが、JR東海の窓口の人は「別に~」といった(言ったわけではありませんが)感じで、まったく問題にしていませんでした。新大阪駅に行ってわかったことは、博多から来る予定の列車を当てにせず、新大阪始発として定刻に発車させますということ。な~んだ。なかなか臨機応変ですね。
それよりも驚いたのは、新幹線の中で久しぶりにコーヒーを買ったら、飲んだ後の紙コップやプラスチックのマドラーを処分するためのポリ袋(写真左)までくれたことです。そこまでやるか。日本のサービスは至れり尽くせりですね。