Cocoknots

株式会社ココノッツ

君島邦夫のココノッツブログ

ココノッツ創立者であり現在は取締役会長の君島邦雄が
広報や医療に関する話題を中心に日常感じたことを勝手に書いています。

君島邦夫のココノッツブログ

ココノッツ創立者であり現在は取締役会長の君島邦雄が広報や医療に関する話題を中心に日常感じたことを勝手に書いています。

極論にはウソがある

2016.06.29

いろんな方が同じようなことをおっしゃっていますが、「極論」には必ずウソ・偽りが組み込まれていると考えています。最も多いウソ・偽りは、一部の事象を取り上げて普遍化するというやり方です。
とくに選挙ともなるとどの勢力も多かれ少なかれそのようなことをやっているように思います。もううんざりなのですが、一向に改まる気配はありません。
医療に関しても同じようなことが少なくありません。クスリは全部だめ、という人がいますが、お腹が痛くなったらビオフェルミンくらい飲んでいるんじゃないかなあ。医者は患者を治そうとしていない、と主張する人もいます。そんなバカな。そういうドクターもいるとは思いますが、これは典型的な「一部が全部」です。
哲学者ではないからエラそうなことは言えませんが、真実は極端から極端までの間のどこかにあって、与えられた条件によってその位置が変わると考えているのですが、どうでしょうか。

いま閃いた

2016.06.28

P102062いま使っているスマホも2年近くたって、そろそろ電池の性能が落ちてきました。オフィスにいるときには、できるだけ充電するようにしているのでとくに不便は感じませんが、出張するとみるみる情けなくなってきます。
最近は予備のバッテリーも性能が向上したと聞いたので、お安いのを一つ手に入れました。ネットには「軽い」と書いてありましたが、これが微妙なところで、スマホ本体とほぼ同じくらい。重いと言うべきか軽いと言うべきか・・・。その上、買ったとたんに閃いてしまいました。新幹線の窓際に座れば充電できるじゃないか。
すでに誰もがご存知のことなのでしょうが、私にはいま閃いたのでした。

日曜日はぐったり

2016.06.27

24日の金曜日の夜は、年2回行われる宣伝会議「広報担当者養成講座」の第1回目。その第1回だけを担当してもう10年くらいにはなるかしら。講義が2時間、名刺交換(これに関しては水曜日に書きました)に1時間、満員電車で帰宅するのに1時間余。合計すると4時間あまり立ち続けていたことになります。年のせいもあるけれど、それなりに疲れます。翌日はたいてい昼寝をして疲れをとるのですが、土曜日は日本医療機器学会のメディカルショーを視察するために大阪へ。日帰りしてきましたが、さすがに日曜日はぐったりでした。

急がば回れ

2016.06.24

JR中央線の駅の近くに、カウンターだけの小さな中華ソバ屋があります。近頃流行の豚骨魚介系などとはかけ離れた澄んだスープで、フアンも多いようです。しかし、どうも気に入りません。会計を仕切るオバサンが統制派だからです。座る席はオバサンが指定します。雨の日に行くと長い傘なら店の前の傘立てへ、折りたたみなら畳んでイスの下へと指示されます。「ラーメンお願いします」と言う客には「中華そばですね」と言い替えます。この店ではラーメンは中華ソバなのです。
麹町のおでん屋には二度と行きません。この店でも席は指定されます。それも相席で詰め込まれます。それだけならがまんできないわけではありませんが、飲んでいる間に2回も席替えを命じられました。効率よく空席を埋めるためです。
中華ソバ屋の方は単にオバサンが「仕切屋」性格の持ち主であるだけのことでしょう。しかし、おでん屋は許せません。顧客、それも飲む客のことをまったく考えず、効率優先、利益優先で商売しようとしているからです。規模の大小を問わずどこの企業にもありがちなことです。急がば回れ、あわてる乞食はもらいが少ない・・・昔からいろいろに言われてはおりますが。

エビデンスのない治療法のお手伝いはいたしません

2016.06.23

今日の毎日新聞に生活報道部の小島正美さんが、「『水素水』論争に向けて」という記事を書いています。中見出しには「『エセ科学』とは言えない」とも。水素水擁護の記事かと思いましたが、そうではなく冷静に現状を追ったよい記事でした。水素が生体に影響を及ぼすことは明らかになりつつあるが、水素水が身体によいというエビデンスはない、ということらしい。
病気の治療には、エビデンスのある標準治療が第一選択になるのは当然であって、自分が治療を受けるときもインフォームドコンセントを受けた上で標準治療を選択しました。ところが、まれにはエビデンスはまだないが確かに効果がある、という治療法が存在することも否定できません。否定はしませんが、エビデンスが確立していない治療法だけをどれもこれも信じると、逆に奏効率は低下するはずです。これは統計の常識であり、だからこそエビデンスがないということにもなります。
そういうわけで、弊社ではエビデンスが確立していない治療法の広報活動はお手伝いいたしません。

明るくなったなあ

2016.06.22

この時期、広報セミナーのスケジュールが少々たて込みます。2時間ほど立ったままでしゃべり続け、終わると名刺交換で1時間。足が棒になります。泊まりがけもあるので時間もとられます。しかし、嫌な仕事ではありません。
講義後の名刺交換というのは、記者会見後のぶらさがり取材と同じようなもので、個別の質問に答える時間でもあります。さまざまな質問を次から次へ受けますが、こちらにとっても、最近の広報事情を知るよい機会になるからです。
多種多様な企業から集まる広報担当者さんのお話を聞いていると、彼らの悩みはちっとも変わらないなあと思う一方で、ずいぶん明るくなったなあとも感じます。一昔前は、会社と社会との板挟みといった悲壮感を漂わせる方が少なからずいましたが、いまはほとんどいません。なぜなんでしょうね。理由はよくわかりません。

未来を考える

2016.06.21

麻生副総理兼財務大臣が、「90歳になって老後が心配とか、わけの分かんないこと言っている人がこないだテレビに出てた。いつまで生きてるつもりだよ、と思いながら見てました」と発言したとか。この人特有の口の軽さはそれとして、引用された方のコメントに感銘を受けてしまいました。90歳はまさに老後であるのもかかわらず、その方はさらに未来(老後)について語っている。人間って、そういうものなんだなあ、と思ったのです。未来を考えなくなったら、オシマイですよね。よく分かる話だと思います。

少しはお役に立ったかな?

2016.06.20

公的な病院組織での広報セミナーに講師として呼ばれました。受講者はいわゆる「事務方」のみなさんで、「広報も担当することになっちゃった」というカンジ。任期が終わればそれまでですから、とくに広報活動にご関心があるというわけでもないらしい。そういうところのセミナーでは何をお話しても反応がほとんどありません。くすぐりを入れても笑いは起こらず、スベってばかり。少しはお役に立ったのかなあ。とてもそうとは思えないのですが。

イチロー選手の表現

2016.06.17

イチロー選手が日米通算4257安打を放ち、ピート・ローズの記録を超えたことは文句の付けようがない偉業です。これまでの弛まぬ精進にも敬意を表したいと思います。
が、今回に限らず彼の記者会見での表現にはいつも違和感を感じます。飛んできたボールに正対して捕球することなく、わざと背面で取ったりポーズをつけて取ったりするような、ちょっとひねった言い方を彼は好むようです。それが性格なのでしょうか。 「僕は子どもの頃から人に笑われてきた」という言葉の裏にある劣等感がさせることなのでしょうか。
現役大リーガーであるいまは問題になりません。実績がすべてを圧倒します。しかし、それが「過去の栄光」になったとき、彼流の表現は必ずしも好意的には受け取られなくなると危惧します。
イチロー選手の記者会見の前に、舛添都知事の一連の記者会見を見た影響でしょうか。そんなことを考えました。

疲れるなあ、立ち会いは

2016.06.16

今日は久しぶりに取材の立ち会い。
新製品に関するパブリシティのご相談を受けて、これはすごい!と瞬間的に感じることはほとんどありません。正直なところ、「なんか地味な商品だなあ」というのが第一印象で、市場の状況やら背景やらをうかがって行くうちに、「わりと面白いんじゃないかなあ」と思えてくるというのが普通です。今日の商品もまさにそれ。
取材に来ていただくために、記者さんに「こんな新製品なのですが」と説明したのですが、これが責任重大。こちらの話し方次第で取材の可否が決まってしまいます。取材に来ていただいてからも、会社の担当者さんの説明にどのように反応するか、ずっと気を揉みながら見守っておりました。
幸い今日は説明が進むにつれて記者さんがノッてきたのが伝わって来たのでホッとしました。取材の立ち会いは本当に気疲れしますね。

必死のパッチ

2016.06.15

ほかのことを調べるためにインターネットの中を浮遊していたら、「必死のパッチ」の意味について書いてあるサイトを偶然見つけてしまいました。
阪神タイガースがたまに勝って、ヒーローインタビューで「必死のパッチでがんばりましたので、これからも応援よろしくお願いしま~す!」などと選手が言っているのを2回ほど見たことがあります。関東の人にとっては少々収まりの悪い表現ですが、関西エリアにおける「一所(生)懸命」の最上級語なのだそうです。ホントかな? なんとなく阪神タイガースの社内用語のような気もしますが・・・。

ハイ!・・・ハイ!・・・

2016.06.14

今朝のことです。JRの某駅の構内を歩いていましたら、後から「ハイ!・・・ハイ!・・・ハイ!」という大きな声が追ってきます。歯切れのよい「ハイ!」ではありますが、なんとなく耳障り。振り返るとスーツの男性がガラ携を耳に当てています。
さらに歩いて行くと、どこまでも「ハイ!・・・ハイ!・・・ハイ!」が追いかけて来て、追い抜かれました。その瞬間、男性は言いました。「ハイ! 承知しました、先生!」。
かなりの確率でこの男性は製薬会社や医療機器会社など医療関係の企業の社員であり、顧客のドクターと話しているのだと推測できます。こういう構図、いつまでたっても変りませんねえ。

脳科学者という人たち

2016.06.13

近頃テレビで脳科学者という肩書きで登場する人物をよく見ますが、これがよくわからない。発言を聞いていると、心理学者のようなコメントをしています。多くは医師ではないようです。脳生理学者ならそう名乗るでしょうから、そうではないらしい。所属している組織をみると、小動物の実験設備くらいはあるかもしれませんが、ガイドラインに則った大規模な動物実験棟などはありそうもない。ではどのような研究をどのようにやっているのでしょう。どうもよく理解できないのですが・・・。

羆嵐

2016.06.10

秋田県の十和田湖の近くでクマに襲われて亡くなったと思われる人が次々に4人も見つかっています。同じクマが襲ったのでしょうか。さすがに現代の新聞はそんな表現はしませんが、一昔なら「人食い熊」と書き立てたところでしょう。現地の人たちは恐怖のおののいているのか、冷静、平静でおられるのか、そのあたりが東京で新聞記事を読んでいるだけでは伝わってきません。
そんなことが気になるのは吉村昭さんの「羆嵐(くまあらし)」という小説を何年か前に読んだからです。大正4年北海道天塩の開拓村をヒグマが襲った事件を描いています。ヒグマを射止めようと集まった住民や警官や兵士らが恐怖にとらわれるありさまを静かな筆致で描いた名作です。
ツキノワグマとヒグマの違いはあっても、また当時よりもクマの生態がよく知られていても、さらに猟銃の性能がよくなっていても、怖いことはやはり怖いのではないでしょうか。
そんなことを考えながら、秋田魁新報のサイトを見たら、遺体発見場所の近くで地元猟友会員がクマを駆除したという記事が載っていました。それが4人を襲ったクマだったら、いくらかは安心できるのですが・・・。

風が吹けば・・・

2016.06.09

物事の本質は・・・といった「真っ当な」ご意見もあろうかとは存じますが、このところ面白いのは舛添都知事の一件です。
一番楽めるのはこじつけの言い逃れです。家族旅行を「事務所関係者ら」との会議、クレヨンしんちゃんは児童の保護者から子どもが悪い言葉遣いをまねると相談を受けたので、どのような表現がされているか確認するため、時代小説は江戸時代の風俗研究のため、中国服は書道をするときによくすべって書きやすいため・・・。
「風が吹かば桶屋が儲かる」ということわざのようなものがあります。江戸時代は道が舗装されていませんでしたから、風が吹くと土ぼこりが立って目の中へ入る。すると眼病が流行って視力障害者が増える。目が不自由になるとできる仕事が限られて三味線弾きが増える。当然三味線の需要が増えるから、三味線に張るネコの皮がたくさん必要になる。そこでネコが減るのでネズミが増える。増えたネズミは桶をかじるから桶屋が儲かる。たしかそんな話でした。
どんなものに政治資金を使っても屁理屈はつきそうですね。これからどんなこじつけが出てくるか楽しみになって来ました。

製薬会社はできません

2016.06.08

一昨日の夜、製薬会社のOBが10名ほど集まって会食しました。研究開発者、CROにいた人、CRC、MR経験者、そのトレーニングをしている人、MSL経験者、薬剤師、経理、マーケティング、宣伝広告、広報など。酔いが回るほどに、ここにいるメンバーで製薬会社ができるなあ、という話になって盛り上がりました。なるほど製薬会社のファンクションのあらかたは揃っています。しかし、決定的に足りないものが3つ・・・資本金、起業意欲、そして若さ(^O^)。

オーナーシップの違い

2016.06.07

スズキと三菱自動車の燃費データの測定違反に関する謝罪会見の違いを指摘した記事が日経ビジネスONLINEに掲載されていました。なるほどなあ、と思いますが、鈴木修会長と益子修会長兼社長の決定的な違いは、オーナー経営者とサラリーマン経営者(あるいは雇われ経営者)の違いにあるように思います。
医療機器業界でも大きな会社のサラリーマン社長と小さな会社のオーナー社長とではそのマインドが大きく異なることを実感しています。どちらがよいということではありません。大きな相違点はオーナーシップの強弱です。小さな会社ではそれがあり過ぎるがために成長を妨げている面があるし、大きな会社ではそれがなさ過ぎるがために成長スピードが遅くなっている面があるようです。
蛇足ですが、日経ビジネスの記事の3ページ目に引用されている益子社長(当時)の話はなぜかリアルタイムで聞いていました(^O^)。

何かに似ていると

2016.06.06

北海道で父親に置き去りにされた小学校2年生が3日、自衛隊の施設で無事に見つかりました。本当によかった。しかし、父親の運転する車が遠ざかるのをこの子はどんな気持で見送ったのかと思うとつらいですね。親から捨てられたと信じたでしょうか。
あくまでも想像ですが、小さくなって行く車の後姿は、この子にとって「家に帰るな、この原野にいろ」という非言語的なメッセージになったのかもしれないと考えました。だから車のあとを追わなかった。車の道からそれて演習場の施設に1週間もとどまっていたのではないか、と。
そう考えたら、これは何かに似ていると気がつきました。
突飛に思われるかもしれませんが、小野田少尉です。「ここで3年でも、5年でもがんばれ」と命令されてルバング島のジャングルに「留置」され29年間隠れていました。発見されて、命令解除されるまで小野田さんは命令を守り続けました。
今日の日経新聞によると、男の子は「保護されるまで「誰かが必ず助けに来てくれる」と考え」たそうです。小野田さんだって、そう考えていたに違いありません。どこか似ているように思えるのですが・・・。
 

文房具屋がなくなった

2016.06.03

弊社の近くにあった老舗の文房具屋が先月破産しました。「アスクル」とか「たのめーる」とか、メールを送れば翌日、ときにはその日のうちに届くサービスが普及したので、実店舗での売上は伸びないのだろうなあ、などと勝手な推測をしていました。
直接の倒産要因はわかりませんが、少々営業努力が足りないとは感じていました。大きな店にもかかわらず品揃えが少ない。先日も外国製のボールペンのリフィルを買いに行ったのですが、ありませんでした。資金繰りも厳しかったのでしょうね。身につまされますね。
しかし、ちょっと走って買いに行ける文房具屋が近所にないというのは不便ですよ。今日も弊社では、プレゼンの用意をしながら「あれがない」、「これがない」と大騒ぎしております(^O^)。

ひっかかっちまった!

2016.06.02

朝、PCのメーラーを開いたら、こんなメールが入っていました。

拝啓
達員が注文番号 70448999○○○○ の商品を配達するため電話で連絡を差し上げたのですが、つながりませんでした。
従ってご注文の品はターミナルに返送されました。
ご注文登録時に入力していただいた電話番号に誤りがったことが分かりました。
このメールに添付されている委託運送状を印刷して、最寄りの 日本郵取り扱い郵便局までお問い合わせださい。

うっかり添付のZIPファイルを開いてしまいました。ワクチンソフトは入れてあり、いまの時点ではおかしな動作や被害は確認していませんが、少々不気味です。
冒頭の「達員」というのがそもそもおかしいので、冷静にメールの文面を読めば怪しいと気づくはずなのに、実にうまい引っかけ方です・・・と感心していてはいけないのですが。

企業退職者の会

2016.06.01

昔むかし勤めていた製薬会社のOB会で、世話人を押しつけられてしまいました。いわゆる新卒プロパー社員ではありましたが、40歳で中途退職しましたので適任ではないとお断りしたのですが、世話人の候補者が少なくなってきたからと泣きつかれました。責任重大で少々気が重いというのが正直な気持です。
その会社はその後合併し、さらに大手に吸収されてすでに存在しませんので、総会をやるたびに出席者の高齢化が進みます。新入会員がいないのですから先細りは目に見えています。会社から補助をいただくこともできません。それでもささやかな総会兼パティーを開催すると70人ほど集まり、若き日にともに仕事をした人たち同士話題はつきないようで大いに盛り上がります。
折しも本日、その会社を吸収した大手企業の「社友会」が一流ホテルで開かれるようです。きっと盛大なのでしょうね。

お葬式の展示会

2016.05.31

世の中には実にいろいろな展示会があるものです。このところ札所巡りなどもしているので、お寺さんの調度、備品などの展示会もあるのではないかと気づきました。仏具はもちろん、お経を上げるお坊さんの座布団だとか参列者の足のしびれを防止する椅子など、メーカーもたくさんあるでしょうし、新たに市場参入しようという企業もあるに違いありません。
ネットで検索してみたら、寺院ビジネスショウのようなものは見つからず、代わりに「エンディング産業展」というのが東京ビッグサイトで開催されるのを発見しました。お葬式の展示会なのです。開催期間はお盆明けで、初日が友引だそうです。うまく考えられています。
祭壇、霊柩車、お棺、ドライアイス等々の葬祭設備、筆耕、僧侶、司会派遣などの業務支援、その他石材、霊園、仏壇から相続相談、フォーマルウエアまで展示されるようです。おもしろそうではありますが、関係者以外はあまり行きたくない展示会ですね。

リベラルアーツの違い

2016.05.30

オバマ米大統領が広島で行ったスピーチ安部首相のスピーチを新聞読んで、その違いにしばし呆然となりました。オバマ大統領のスピーチはまさに「演説」と言えますが、安部首相のスピーチは説明とか解説に近い。広報を仕事にしている人間として、とっさにスピーチライターのレベルの差だなあ、と考えてしまいました。もちろん大統領自身、首相自身が指示し手を加えてはいるのでしょうが、スピーチライターが下案をつくり仕上げているのだろうと推測します。
どこで違いが生まれたのか。いわゆるリベラルアーツの差ではないでしょうか。欧米の政治家や知識人の教養の深さとそれを基盤とする思考の深さには驚かされることがしばしばあります。リベラルアーツはギリシヤ、ローマ時代に源を発する7つの学科なのだそうですが、どうしたら選挙に勝てるかとかどうしたら儲かるかとかどうしたら勲章がもらえるかといったこととは次元の異なる深い教養を意味していると言っていいでしょう。
そのような深い教養がいまの日本の政治家や財界人からは感じられません。その違いがスピーチの違いに表れたと想像します。かく申す私自身もリベラルアーツは持ち合わせていないので、誠におこがましいのではありますが・・・。

それでいいんや

2016.05.27

昨夜のNHKハートネットは「こんなはずじゃなかった 医師 早川一光」でした。改めて書くまでもありませんが、早川先生は在宅医療の先駆者の一人です。92歳。がんで闘病されておられるそうです。
実は若い頃、製薬会社のPR誌のライターとして早川先生を取材したことがあります。先生は往診に行くからついて来いと言われました。京都の暑い夏の日でした。西陣の細い路地を右へ行ったり左へ行ったり。行く先々のお宅で氷の入った麦茶が出されました。お腹はすぐにガボガボになりましたが、先生は嫌な顔もせずおいしそうにみなグッと飲み干しました。最新、最高の医療ではないかもしれませんが、また最良でもないかもしれませんが、よい医療が確かにそこにはあるような気がしました。
取材のために3回も京都へ行きました。取材が難しかったのではありません。先生からもっともっとお話をうかがいたかったからです。
偉いお坊さんが「死にとうない、死にとうない」といいながら亡くなった。「それでいいんや」とそのとき先生はおっしゃいました。そんな話をテレビを見ながら思い出していました。

企業内OB会

2016.05.26

週刊ダイヤモンドが慶應のOB会「三田会」を特集しています。それを読んで思い出したことがあります。企業で広報の責任者をしていたとき、出身大学の総長室の方から面会を申し込まれました。会ってみると、「ぜひ御社でもわが大学のOB会をつくっていただきたい」というご要望でした。しっかりOBの社員リストを持参しています。あの人もOBなのか、とリストは興味深く拝見しましたが、即座にお断りしました。
「いまの世の中、社内で派閥をつくるようなことはあり得ませんよ。時代錯誤なんじゃないですか」と申し上げたところ、「そういうお話もあちらこちらの会社でうかがいます」とのご挨拶でした。
いまもそのような活動をしているのでしょうか。やめた方がよいと思うのですが。

どうでもいいこと

2016.05.25

小金井市で若い女性が刺されて重体になったというニュースがありました。各紙とも「アイドル活動をしていた大学生」といった表現で被害者の属性を表現していますが、昨日のJ-Cast ニュースによれば、ガールズユニットのメンバーだったが最近は作詞・作曲まで手掛けるシンガーソングライターとして活動していたそうで、アイドルではないと主張する「識者」もおられるそうです。
要するに大学に籍を置きながら芸能活動をしていたということでしょう。はっきり申せば「どうでもいいこと」。なんだかどっと疲れを感じますね。そんなことより被害者の一日でも早い回復を祈ります。

惰行法だか蛇行法だかについて

2016.05.24

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三菱自動車に続いてスズキも排出ガス・燃費試験の不正を発表しました。国土交通省が定めた惰行法なる測定方法で実測していなかったということなんですが、各社の報道で気づいたのは、惰行法という測定方法の妥当性について言及されていないことです。これを回避しようとしたメーカーが2社もあったというのは、よほど面倒な計測法なのでしょう。欧州の測定方法に近いそうですが、どこか非合理な点があるのかもしれませんね。もちろん規定された方法をとらなかったのは明らかな規則違反であり不正であって、弁解の余地はありませんが。
私事ですが最近両社とは異なるメーカーの軽乗用車を購入しました。カタログ表示は21.2km/Lですが、1,600kmほど走った実際の燃費は18.0km/Lです。このメーカーは不正を発表していませんから惰行法を使って測定したのでしょう。それでもカタログ値と15%ほど違いがあります。もっとも、ならし運転でゆるゆる走ったときは26km/Lでしたから、走り方による違いはかなりあるようです。
私たち消費者にとってより重要な問題は、どんな測定法でもかまいませんから、より実際に近い数値を表示してほしいということです。当たり前のことですけれどね。

アリ地獄会見

2016.05.23

Msuzoe1こういう記者会見もあるのだなあ、と勉強になりました。5月20日の舛添都知事の記者会見です。
自ら考えたのか弁護士のアドバイスに従ったのか、「第三者に調査を依頼する」で押し通して時間稼ぎに出たのでしょうが、その言葉を繰り返すたびにどんどんアリ地獄にはまって行くように見えました。そういうことなら会見を開かない方がいい。しかし、知事の定例記者会見なので回避するわけには行きません。ニッチもサッチも行かなくなった窮余の策だったのかもしれません。
このようなとき、広報を専門とする者としてどうアドバイスすべきか。考えれば考えるほど難しくなりますが、ここはやはり原点に戻ることを進言すべきかな。
「すべてをありのままに話して頭を下げなさい、そこから新しい展開が始まりますよ。それは早ければ早いほどよい結果になるでしょう」と。
記者会見をすることでかえって事態を悪くする。これまでもなかったわけではありませんが、これほどの例は珍しいでしょう。この会見は彼の政治生命の分水嶺になったのではないでしょうか。
 

JR西のイメージ転換

2016.05.20

防犯カメラの映像を自動的に解析し、危険な酔客などがいると通報するシステムをJR西日本が新今宮駅に昨日から導入しました。その運用開始セレモニーがあって、「酒場放浪記」の吉田類さんをゲストに招いたそうです。
http://trafficnews.jp/post/51613/
うまいですねえ。防犯カメラと言えばネガティブなイメージがつきまといます。それを使ったシステムのお披露目にセレモニーをするということが珍しい上に、酔っ払いの代表として吉田類さんを招くという発想が素晴らしい。イメージを一気にポジティブに転換しようとしています。
JR西日本と言えば、福知山線事故の記憶がまだ生々しく、どちらかと言えばネガティブなイメージをいまも引きずっているように思います。ところが、最近発表された新社長紹介の記事を読んで、おや?と思いました。記者の暖かい目が感じられたからです。社長になる来島氏は長く事故対応をしておられたとか。その過程で、記者たちの気持をつかんだものがあるのでしょう。ここでもイメージの転換が起こるかもしれません。

どうしようどうしよう

2016.05.19

先日、東京メトロ九段下駅で、ベビーカーの一部をドアがはさんだまま電車を発車させ、緊急停止させることなく次の駅まで走らせたという事件がありました。経験の浅い車掌さんが、緊急停止をためらったようです。あってはならないことですが、新米車掌さんの戸惑いも理解できないことではありません。どうしようどうしようと慌てているうちに電車と事態がどんどん進行してしまったのでしょう。
企業経営者だって、なかなか決断できないうちに経営を傾かせるということが少なくありません。結局同じことではないかとも思うのですが。

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